健康食品って本当に安全?それを科学的に分析していきます

「高齢の母が精力がつくという男性用サプリメントを毎日飲んでいるのですが大丈夫でしょうか」「発酵ニンニクがいいと聞いて作って食べているのだけれど真っ黒なんです、何が黒いんでしょう?」「知り合いから病気に効くという苦いジュースを買っているんだが何万もするのにあまり効いてないような気がする、止めたい」「裏山の笹を発酵させたものを健康にいいからと宣伝して売りたいという生産者がいるのだが何と回答したらいいか」「市販の健康食品を民間検査機関に頼んで検査してみたら抗生物質が検出されたのですがこの結果はどう解釈すればいいのでしょうか」……

これらは私がこれまで経験したいわゆる健康食品に関係する質問の一部です。生産者から消費者まで、比較的簡単に答えられるものから難しいものまで、いろいろな疑問や相談が寄せられています。私の所属する国立医薬品食品衛生研究所は残念ながら一般の人への知名度はそれほど高くなく、質問に答えるのが主な仕事ではないのですが、それでもいろいろな悩みや疑問に出会います。

消費生活センターで相談窓口業務をしている方からは、いわゆる健康食品に関係する相談はとても多いと聞いています。ほとんどの人が、自分では使わなくても家族や友人などの身近な人がいわゆる健康食品を使っているのを見聞きしたことがあると思います。

でもその使い方は本当にそれでいいのだろうか?商品によっては似たようなものでも値段がまったく違うけれど、それはどういうことなんだろうか?といったような疑問を抱いたことがあると思います。

いろいろな情報が溢れているように見えるのに、ちょっと考えると肝腎なところがよくわからない、のではないでしょうか。このサイトではいわゆる健康食品を、安全性と有効性を立証するための科学的根拠や、海外の制度の紹介などから描き出すことを目指してみました。

「何にでも効く素晴らしい健康食品」に手を出す前に、参考にしてもらえればと思います。

 

食品の機能性、つまり病気になることを予防したり健康を増進したりするような作用のことですが、それについて考える前に、医薬品の有効性と安全性はどうやって評価され承認されているのかを簡単に見ていきましょう。

 

遠い昔から人類はいろいろな病気に悩まされてきていて、試行錯誤でいろいろな「治療法」を編み出してきました。しかし効果的な治療法の一種として多くの人が効果のある薬を利用できるようになったのはごく最近、せいぜいここ百年以内のことです。

 

近年は有効性の評価や安全性確保のための手続きを国際的に統一しつつあり、グローバルスタンダードといえるものが確立されています。

 

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病気の治療や予防のために使われる医薬品がどういうふうに評価され、その安全性を確保するためにどのようなしくみがあるのか、ということが食品の機能性評価にも必要な基礎知識になります。通常、医薬品は公的機関による認可を経て使えるようになります。

ここでは典型的な医薬品として、薬効のある化学物質を例にして、世界的に標準的な認可申請に必要な情報を眺めてみましょう。

 

性質を調べるまずその物質は何か、ということを説明しなければなりません。有効成分である化合物の化学構造とその性質、つまり室温で液体なのか固体なのか、水に溶けやすいのか色がついているのか、光や温度などの条件で壊れやすいのか安定なのかといったことがわかっている必要があります。

 

そしてその物質の性質をいろいろ調べるためには分析方法が確立されていなければなりません。医薬品の場合は普通錠剤やカプセル剤として使われますので、製品として一錠当たり何ミリグラムの有効成分を含む、といった「仕様」があります。

 

薬として使われる化合物は微量で効果があるものが多いので、医薬品成分以外にデンプンなどのかさ増しのための材料が使われたり、飲みやすくするための糖衣がつけられたりします。それらについても不純物は一定以下であること、安全性が確認されているものであること、などが必要です。

 

そして医薬品の有効期限以内では保管中に分解して減ってしまったりすることがないことを確認しなければなりません。医薬品として申請する場合には最終的な製品の形で、つまり薬としてパックされた状態で普通の保管条件で12か月や24か月、36か月間といった期間保管して有効成分がどれだけ残存しているかを調べます。これを根拠に薬の有効期限が設定されるわけです。さらに加速試験といって通常の室温より高温(40℃)で湿度の高い(75%)条件で6か月置くという試験も行われます。

 

薬によっては光で分解したり高温に弱かったりしますので、これらの試験をもとに保管時の注意が説明書に書かれることになります。こういう試験は正確な分析法があって初めてできるのです。