健康食品の危険性とは?マウスを使った実験手法②

ハザードは特定の化合物や事象に特有のもので、通常は人間がどうにかできるものではありません。

リスクを減らすには暴露量を減らすしかありません。

そのためには暴露に関する情報がとても重要になります。

現代の日本人は食べものの選択肢が多いので特定のものへの一人ひとりの暴露量は相当違う可能性があります。

リスクの高い人はどういう人で、そのリスクを下げる40にはどんな対策が考えられるかを提示することがリスク評価になります。

どんな対策をとるかを決めて実行するのはリスク管理担当者の仕事です(図8)。

HACCPとは?このようなリスク分析の考え方を具体的な食品の微生物安全管理方法として提示したものの例がHACCP(ハサップ)になります。

HACCPとは英語のHazardAnalysisCriticalControlPointのそれぞれの頭文字をとった略称で、「危害分析重要管理点」と訳されます。

食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある汚染等の危害をあらかじめ分析(ハザード分析、HazardAnalysis)し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点(クリティカルコントロールポイント、CriticalControlPoint)を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。

日本の場合、食品の安全性を確保するための食品衛生法(1947年成立)で、いろいろな食品のいろいろな成分・微生物について規格や基準を定めて安全性を管理してきました。

牛乳に検出される細菌数は何個まで、とか、キャ41ベツの残留農薬はAというものについては何PPM以下、などといったものが規格基準で、そのようなたくさんの「お上の決めたきまり」をきちんと満たしていることを確認するのが安全管理だ、という考え方でした。

しかし安全性に関する考え方も食品の加工技術も進歩し、商品としての食品もいろいろなものが開発されてきていますので、必ずしも型どおりの基準がベストとはいえない場合もあります。

そのため食品の製造について一番詳しいはずの事業者が、製品の安全性確保のために、中毒事故予防対策としてHACCPを導入することが薦められています。

まずハザード分析の段階では、起こりうるすべてのハザードを想定して対策を検討します。

このときに製品についての専門的な知識が必要になるのはもちろんですが、どこから原材料を入手するのかなど、については事業者が決めることですので当事者でなければわかりません。

入手先に特有のリスクがある場合もあるでしょう。

事前にどれだけきちんとしたハザード分析ができるかが非常に重要なのです。

単純に指示された規則に従う場合に比べて、自由度は高くなり、高度な専門性も要求されます。

現在は、国際的に取引される食品について、HACCPはほぼ必須となっていますが残念ながら日本では導入が遅れています。

日本の場合、食品は主に輸入するものであって輸出するものではなかったこと、国産だというだけの理由で輸入食品より優れていると消費者が勝手に思ってくれていたために、進化する安全性についての国際標準に取り残されている、というのが現状です。

HACCPは食品事業者向けの手法ですが、消費者にも果たすべき役割はあります。

食品業者が適切な衛生管理のもとで一定レベルの安全性を確保した食品を提供していたとしても、それを食べるまでのあいだに安全性が損なわれる可能性はあります。

たとえば、販売されている食品には消費期限が表示してあったり調理法が指定してあったりします。

期限以内に食べることを前提にして安全だとしている食品を、期限が過ぎて42から食べればお腹を壊すかもしれません。

加熱調理用の生肉を加熱しないで食べれば病気になる可能性もあります。

表示を読んで指示に従って適切な調理をするのは消費者の責任です。

リスク管理対策食品そのものについて私たちがよくわかっていないため、対策としては、わかっていることについては十分考慮した上で、わからない部分によるリスクを最小限にするために、リスクを分散させるのがベストです。

つまりいろいろな食品を食べましょう、ということです。

これまでも栄養バランスをとるためにいろいろな食品を食べましょうといわれてきたはずですので表面的には同じです。

ただ背景にある考え方が少し違います。

食品に関連するリスクは非常に複雑で、たとえば産地によって土壌や大気に含まれる微量元素の種類や濃度が違います。

同じ農作物であっても気候や栽培方法によって含まれる成分は変わります。

同じ農作物でも調理法が違えばリスクは異なります。

生で食べる場合は、微生物による食中毒や天然の毒素のリスクが比較的高くなりますが、高温で調理すると副生成物由来のリスクが生じます。

加工食品なら原材料や調理法以外に流通・保管・販売に由来するリスクもあるかもしれません。

日常的なお買い物や食事のときにそれぞれを詳細に分析して最適化するのは現実にはほぼ不可能です。

でもいろいろなものを食べることは幸いなことに今の日本では結構簡単にできることです。

近所のスーパーでお買い得になっている品物はいつも違うし、同じ野菜でも季節ごとに産地の違うものが売られていたりするでしょう。

外食では世界中のい43ろいろな料理を提供するお店があります。